
古着独特の雰囲気を好む代表は実際の古着を研究し、その製品をが作られていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史や資料を調べ上げて製品づくりのヒントにしています。
自分で工程を理解し、各工程ごとの専用の設備を要した工場でのみ生産を行っています。
そのクオリティーの高さとユニークさでJ.CREWやINVENTORYをはじめ海外からも注目を集めている。
秋・冬、まだ肌寒い春先にかけて。
デザイナー自身つい手に取るのがアウトドアブランドが作る「ちょっと暖かいソフトシェル」。
出張は、ジャケットやコートを着ますが、「日々羽織る」となると、軽くて、ちょっと暖かくて、丈も長すぎない。
袖口や裾が適度にすぼまっているアウトドアウェアは楽。
そういう要素を持った服を考えていて「そうだ、L-2Bがあるじゃないか!」と思い出したそう。
当然、昔着たマッコイズはとうに着られるサイズじゃない。
現行品もいくつか買ってみたそうですが、すっきりしすぎて動 きづらい!今の感覚とも違う。
そこで、「昔はオリジナル高くて買えなかったよな」と思いながら検索すると、おお! XL なら安いではないか!という事で、オリジナルを買ってしばらく着ていました。
ゆったりして、リブも締まりすぎない、とにかく着ていて楽。
ただ、裏地が縮みで吊り上がり形崩れ、リブが虫食い&チクチクする。
ウールが入っている部品があるので、冬が終わって春先に着られる時期が短い。
このウールが、形崩れ・虫食い・チクチク・着る時期 を選ぶ原因だ!
と考え、WORKERS では一切ウール無しで形にしました。
表地は66ナイロンをオリジナルの「おそらく変色していないだろう」パッチがついていた下を基準に染める。
最初、染めビーカーが来た時には「もう少し緑じゃないか?」と思ったそうですが、「変色が少ないパッチ下に合わせてます」と染色工場さんから指摘がありました。
この辺りは、やっぱりプロです。
裏地も、ウールレーヨンではなく、コットンレーヨンのサテン生地に変更。
これもやはり別注で染めないと色が無い。
Tops Apparelの個体を参考に色だし。
オリジナルは、裏地の裏(服の中)、隠れる部分が起毛しています。
おそらく、この中起毛は薄い中ワタを入れるのと同じで保温性を高める為。
この起毛も再現してみようと、起毛サンプルを作りましたがコッ トンなので毛足がどうしても出ない、厚みも出ない。
そもそも、春先まで着られるよう保温性はそれほど高く無くて良い。
当然、起毛しない分、ほんのわずかでもコスト・定価が下げられる。
以上から、合理的に判断して裏地の中起毛は無し。(つい原理主義的に仕様はなんでも再現したくなるのですが)
リブは、コットン糸で編んだもの。
お久しぶりにリブ屋さんに行って、糸色を選び、試し編みをして「コットンでもしゃっきりして、伸びても戻る」いわゆる「キックバック」のある編みで。
糸もコーマ(短繊維を落として、毛玉が出来づらい)かつ、双糸。
要するに、高級な糸を使ってなるべく長く、綺麗な状態を保つように。
袖口に輪編み、縦に継ぎが無い物を使っているのもポイント。
これが高い!専用機で編むから量も必要だし。
でも、L-2B を次作るかわからないのでこだわりました。
ファスナー、オリジナルはCrownですが、さすがにこれは入手出来ず。
WALDESで、引手の形状はコンマー風の物を。
パターン、上記とは違うMサイズの個体をばらしてとり、着丈だけは少し伸ばしました。
袖の長さも長すぎず。
長い方が、カバー率は上がるのですが袖口リブが完全に見えなくなってしまうバランスは好きではないので。
参考にしたオリジナルはトップスアパレルとブルーアンカーオーバーオール製。
表地・裏地の色はトップスアパレル。
本来付いているはずのオキシジェンタブ、トップスアパレルはなぜか付いていない、付いていた跡すら見えません。
「これはこれですっきりして良いな」と思い、WORKERS バージョンもオキシジェンタブは無しになっています。
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